その口癖、NG!

耳痛いです…
思い当たることばかり。
年齢も年齢だし、そろそろ自分の立ち居振る舞いにきちんと責任持たないと(「今までもってなかったのか!」と突っ込まれそうですが)
NIKKEIプラスワン その口癖、NG!

「なくて七癖」ということわざがあるように、人間誰しも癖がある。その代表格が無意識に発してしまっている口癖だろう。他人が聞いて不快に思う口癖が、仕事相手や職場の同僚をイライラさせている可能性は高い。仕事の場における「NGな口癖」を探った。
 「え、そうですね」「あ、わかりました」。ゲームソフトを開発するスタジオフェイク(川崎市)のプログラマー、小林寛大さん(23)は、会話の冒頭に「え」と「あ」を付けてしまう口癖に悩んでいた。「頼りない印象を与える」と指摘を受け、直そうと決めた。2年前のことだ。

 実行したのが「口癖罰金」。口癖を言ったら1回100円を罰金として貯金箱に入れる。時には金額を1回1000円に増やして、己にプレッシャーをかけた。2年間で使った貯金箱は5つで約5万円たまった。今では、口癖はほとんどなくなり、話し方を競うコンクールで入賞するまでになった。

 「『でも』『しかし』などの否定的な言葉を、返答の冒頭につけるのが口癖になっている人がいるが、相手は気持ちを害する」と話すのは、江戸しぐさ語りべの会を主宰する越川礼子さん。江戸しぐさとは、江戸商人の心構えや生活哲学、ビジネスマナーを集大成したものだ。

 否定的な接頭語は江戸では「戸締め言葉」と呼ばれた。「戸をしめて中に入れない、つまり人の話を無視するような言葉という意味」と越川さん。相手よりも自分を中心とする心の表れで、謙虚さに欠けると嫌われた。「現代も同じ。まず素直に聞き、異論があれば『そういうお考えもあると思いますが』と一言添えるなど、相手を立てる思いやりがほしい」

 パソナの働く女性向け講座「プレシャス・キャリア塾」で話し方講座の講師を務める晴香葉子さんに、ビジネスの場面ごとにNGな口癖を挙げてもらった。

 まず、商談での口癖でありがちなのが「えーと」「あのー」「そのー」と言ってから話を始めること。「頭の中がまとまっていない準備不足な状態なのかと相手は疑ってしまう」と晴香さん。話の語尾に「と思います」「と聞いています」とつけるのも無責任な印象を与え、信頼される担当者にはなれないという。

 一方、会議の場で嫌がられるのが「いや……」と言ってから発言する人。Aという意見を述べた相手に対し「いや、Aですよね」という具合だ。「相手より自分の意見を際だたせようという自己顕示欲が透けてみえ、他人は不快になる」

 会議でどんな提案をするときにも「とりあえず」と言うのもNG。明るく仕事をするタイプに多い口癖だが、論理的に物事を組み立てたい参加者からみれば、「とりあえずって何だ!」と怒りがわく。

 同僚との会話で、NGな口癖は何か。「彼らの意欲を押し下げる口癖が何よりタブー」(晴香さん)。例えば「どうでもいいじゃん」。取るに足らない仕事をやっているのだろうか、と思わせてしまう。若い世代に多い「……っていうかー」も、この一言で社内に幼稚なムードがまん延してしまう。「疲れた」「はぁー」など雰囲気をどんよりさせる口癖もNGだ。

 元日本テレビアナウンサーで、現在は日テレ学院長を務める石川牧子さんは、「耳障りな口癖を話す社員が社外の人と応対すれば、『この会社の人材レベルはたいしたことはない』と相手企業に値踏みされかねない」と警鐘を鳴らす。

 石川さんはアナウンサー時代から、自らの発言やしぐさを客観視する癖をつけている。「まずは周囲の人に指摘してもらったり、自分の会話を録音したりするなど、どんな口癖を使っているのかを自覚することから始めてほしい」と話す。