今日読んだ本はこれ
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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あの作品は繊細な文の中に生々しさ、ほんのりと毒がちりばめられていたと記憶している。でも、読んだ当時は妊娠なんて全く縁のない世界だったから、私の中では不気味さが先立って、それで終わってしまっていた。
今回の作品は、愛とか恋とかではなく、主人公とその息子ルートの博士への人としての思慕が静かに描かれていて、とても哀しく暖かい作品でした。
そして文学部出身の作者が、このような数字の美しさを発見し、難しい数式を流れるようにストーリーに融合させたのは、すごい。
素数って一口に言っても、こんなにいろいろな見方ができたのですね。
義姉の言葉に圧倒。
「あなたを覚えることは一生できません。けれど私のことは一生忘れません」