今年の一文字

私にとっては「動」ですかね。


一番はもちろん震災ですが、個人的にも心身ともにいろいろ動きました。
ムスメ、私共に精神的に抑圧されてきた場所から逃げ出しました。
ただ、両親とも距離が離れてしまったので、今年入院続きだった父の付き添いがしにくくなってしまったのが辛いところですが。


前の家では、同居人がなにか気に入らないことがあるたび暴れて物に当たり散らすことがよくあり、ムスメも相当怯えていたようです。
いっそのこと、人にあたって派手に怪我でもさせてくれたほうが早かったような気もしますが(まあ数回ほど背中を蹴られたり襟元掴まれてひきずられたりしましたが。それよりなにかと「おまえは使えねえ」「お前の親もつかえねえ」と罵られたのが一番堪えた)、そこは上手で、人に当たらないようにモノを投げ、私のものやムスメのものを壊す程度でした。かえってたちが悪い。
そのため、ムスメはあの震災の時、ひとりぼっちで必死に(元)自宅の何インチか知らないけどとにかく大きなテレビを倒れないよう必死に押さえていたそうです。
「倒れて壊れたりすると機嫌が悪くなるから」だそうです。そんなときまで気を使わせるって…話を聞いて涙が出ました。
「これからはそんな事より自分の身を守るんだよ」と言い聞かせておきました。
今でも、上下の部屋から「ドン!」「ドスン!」といった音がするとムスメも私もビクリとします。早くこの呪縛から逃れたいです。


今まではこんな息苦しくなるような家で怯えて、毎日死ぬことばかり考えていましたが、この度の震災で大きく気持ちが変わりました。
私は運良く、被害は最小限ですみました。身内や友人も、被害は受けても命まで奪われた人はいませんでした。
それでも、人間いつ死ぬかわからないということを改めて思い知らされました。それなら、限られた残りの時間、絶望を抱えていくよりは少しでも楽に生きていきたい。そして、ムスメとの時間も大切にしたい。
ムスメのために、自分のために40歳を過ぎた今になって初めて自分を大切にしようと思いました。
これからもいろいろしんどいことはあるだろうけど、少しでも前向きに、あとどれくらいあるかわからないけど残された人生、大事にしようと思います。


このように、自分でも驚くくらい大きく考え方が変わった1年でした。
まだたまに鬱の症状があるけど、前ほど絶望的じゃない。
涙を流す回数も減りました。
今年が生まれて初めて、生きてるって実感した年になりました。