「陰陽師 (竜笛ノ巻)」夢枕獏（文春文庫）

陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)

いつの間にか発売されていたのね。チェックしていたつもりが見落としていました。
相変わらずの飄々としているようで迫力のある文体。風のざわめきやかすかな花の香りまで感じ取れそうな形容がたまりません。そして、晴明の屋敷の庭の風情、そこで酒を酌み交わす晴明と博雅との小気味よい会話、酒の肴。そして時には敵、時には仲間（？）道満との術の掛け合い。読んでいるとまるでかの時代の空気に触れているかのようです。
相変わらず気持ちのいい文章書いてくれるねぇ、獏センセ。１ページあたりの文字数が少ないから、あっと言う間に読み終わっちゃうのが難点だなぁ。